【おすすめ本 ぜひビジネスマンに読んで欲しい】なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
元マイクロソフトでWindows95の設計思想を生み出し世界を一変させた伝説の日本人 中島聡さん が書いた本。
中島さんの仕事での時間の使い方、仕事との向き合い方、 また世界一のビジネスマン”ビルゲイツ”の近くで仕事をしてきて感じたこと、 などビジネスマンはぜひ読んでほしい。私が衝撃を受けた本。
特に影響を受けた点をまとめます。
天から与えられている時間は皆平等である。ここに気がつきいた。 人の能力がいきなり向上するようなことはありません。ならば時間の使い方を徹底的に突き詰めるしかない。すなわち、時間を制する者が世界を制している。 私はこれが、世界で成果を上げ続けている人たちの真実の姿
人は2倍以上の能力差がある人にも、時間の使い方次第で勝てる」というメッセージを放っています。
すべての仕事は必ずやり直しになります。 最初の狙いどおりに行くほうがまれなのです。スマホのアプリもWindows95も、あなたの明日のプレゼン資料もそうです。どうせやり直しになるのだから細かいことはおいておき、まず全体像を描いてしまったほうがいいのです。これがつまりプロトタイプを作るということになります。 もし上司が、最初からプログラマーと密な連携を取ってプロトタイプを作っていたらどうなっていたでしょうか。きっと無駄なプロセスが省けて、もっと早く仕事が終わっていたはず
この渋谷の待ち合わせの話が示唆することは、 締め切りの前に締め切りがあると考えなければならない ということです。逆説的なようですが、締め切りに間に合わせようと考えていても、締め切りには間に合いません。しかし、締め切り前に締め切りがあると考えると間に合います。締め切りを狙ってはいけない
あなたが命じられた任務はパーティーに花を用意することであり、花屋に注文をすることではありません。
先ほどの待ち合わせの例でいえば、大抵の人は 10 時前に到着する電車に乗ることだと思っています。しかし本当の任務は、 10 時に待ち合わせ場所に着くことです。
ビル・ゲイツが「その問題とこの問題は独立している」とよく言っていたことを覚えている
彼が何らかの説明を社員から聞くときに、直接その社員からは話を聞かないことです。彼は情報をかみくだき、彼にわかりやすく説明してくれる専門の社員を雇っていたのです。 私たち社員は、ビル・ゲイツに何か説明をするとき、その専門の社員に説明をします。するとその専門の社員がビル・ゲイツにわかりやすく説明をする
彼が参加するプレゼン会議では、発表者が発表をする時間は設けられません。彼のいうプレゼン会議とは、発表者との質疑応答の時間のことを指します。したがってスライドを動かしながら説明をするといったことはしません。資料は前もって送り、当日、質問を受けるだけです。これは究極の効率化です。
何らかの対象(オブジェクト)を先に選択したうえで動作を指定することをオブジェクト指向といいます。 オブジェクト指向のわかりやすい例として、私たちがいつも使っている日本語が挙げられます。
これはWindowsにおけるダブルクリックと非常によく似ていると思いませんか? このようなグラフィカルでオブジェクト指向な機能を思いつくことができたのは、もしかしたら私が当時マイクロソフトで唯一の日本語話者だったからかもしれません。日本人的な会話の作法を取り入れた結果、Windows95が世界を席巻したと考えると、感慨深く思います。 先日も、深夜に口もききたくないくらい疲れ切ってタクシーに乗ったときに、この「オブジェクト指向」言語である日本語を理解する運転手(平たく言えば普通の運転手)に助けられました。そこでは次のような会話が展開されました。
やりたいことをやるためには、やりたくないことを速攻で終わらせるしかないのです。
マイクロソフトはベーパーウェアという戦略が得意です。 まだ完成してもいないものを発表して、競合他社のやる気を削ぐという戦略
本当のショックはその中身でした。要は、パソコンにアプリをインストールする時代はもう終わり、これからはブラウザ上ですべてのアプリを動かす時代が来るのだということでした。
私がアメリカに来て以来、丸々5年間苦労して作ってきて、ようやくリリースしたばかりのWindows95のやっていることを完全否定しているのです。 「こいつは何をバカげたことを言っているんだ」と思いながら、ホームページで公開されている、HTTP(ブラウザとサーバーの間の通信規約)とHTML(ウェブページを作るためのプログラム言語)の仕様を読み進めるうちに、まさに「カミナリに打たれたような」ショックが私を襲いました。 インターネットのことをまったく知らなかった私が、わずか1、2時間でインターネットの仕組みをすべて理解できてしまったのです。こんなにシンプルで美しい仕組みは見たことがない。Windows95は複雑すぎる。これからはインターネットの時代だ。そう直感的に感じました。
私が仕事をするうえで最も大切だと考えている「あること」をきちんとこなせる人は100人に1人もいませんでした。 その「あること」とは、「常に締め切りを守ること」です。正確に言い換えれば、「常に締め切りを守れるような仕事の仕方をすること」です。 2章のビル・ゲイツの例で話したとおり、あなたの仕事は、パーティーに花が間に合うよう花屋さんに予約をすることではなく、パーティーに花を間に合わせることです。期日に間に合うよう予約しても間に合うとは限りません。予期しないアクシデントが起こることを前提としなければならないのです。
多くの人が、「最初はのんびりしていても、最後に頑張ればなんとかなる」という根本的な誤ちを改めるところから始めないといけません。
①「まずはどのくらいかかるかやってみるので、スケジュールの割り出しのために2日ください」と答えて仕事に取り掛かる(見積もりをするための調査期間をもらう) ②その2日をロケットスタート期間として使い、2日で「 ほぼ完成」まで持っていく ③万が一、その2日で「ほぼ完成」まで持っていけなかった場合、これを「危機的な状況」と認識してスケジュールの見直しを交渉する
考えてから手を動かすのではなく、手を動かしながら考えてください。崖から飛び降りながら飛行機を組み立てるのです。
実際に指定の2割の時間がすぎた段階で、仕事がどのくらい完了しているかをできるだけ客観的に判断します。8割方終わっていればスケジュールどおりに進んでいると考えていいでしょう。6割くらいしか終わっていなかったらかなりの危機感を持つべきです。その段階で万が一、完成度が6割未満だった場合は、③のとおり、「締め切りまでに完成できない可能性がある」と判断し、上司に状況を説明してスケジュールの見直しをしてもらいましょう。
仕事を早く終わらせることよりも、仕事を安定して続けることを意識すべきです。結果、焦って仕事をしていたときよりも早く、しかも高い完成度で終わるようになるのです。
私もいかに仕事に集中するか、ということは常に悩んでいますが、最も手軽な方法は、悟空の界王拳をイメージすることです。界王拳を使って戦闘力を何倍にも上げ、目の前の仕事を倒すのです。 さらに私が注意していることは、「このときに何倍界王拳を使うか」という具体的な数字まで決めるということ
集中力を上げるために必要なことをもう一つお話しします。それは、マルチタスクを放棄することです。マルチタスクこそ、仕事が進まない理由の最たるもの
・すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す ・最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には、仕事量の8割を終える ・最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、期限を延ばしてもらう ・「仮眠を取る」と「マルチタスクをやめる」で、仕事の効率を上げる
ここでお伝えした1日を横に切る方法は、 あくまで「ロケットスタート時間術を本格導入するための移行期間において、今抱えすぎている仕事を減らしていくための救急措置」だと理解してください。
人がある習慣を身に付けるには、平均で同じ行動を 66 日続ける必要がある こと
あなたは上司から与えられた仕事は、無理をしてでもなんとか引き受けようとします。たくさんの仕事を抱えて頑張っているあなたは、ビジネスマンとしての生きがいを感じます。そうして仕事を締め切りまでに終わらせたあなたは、上司から褒められ、出世にいい影響があったことを喜びます。 それはいいのですが、そうした努力の仕方は継続しません。そもそも今までそのやり方を続けてきた結果、あなたは疲弊しているわけですから、いいやり方であるはずがありません。
そういったマインドセットをあらかじめ持ちながら、人の仕事が終わらなかったときに私がするのは、簡単なモックアップを作ることです。モックアップとは、「完成間近の模型」のことです。 3章の「なんちゃってATOK」の話を覚えているでしょうか。私はATOK開発側のジャストシステムとマイクロソフト両方の機能のすり合わせが難しかったため、モックアップを作りました。それが漢字を 10 個ほどしか変換できない「なんちゃってATOK」でした。しかし、それがあれば、私はジャストシステムによる本物のATOKの完成を待たずに、Windows側の機能を実装することができました。これがモックアップの考え方です。
何かの実践のために知識が必要な場合、知識はやりながら覚えていくべき
集中力を無理に引き出さなければいけない仕事をそもそもするな、ということです。そういった仕事は、本当はあなたがやりたくない仕事であり、そもそもそういう仕事に対して本質的な集中力を発揮するのは難しいという話です。
天職に就いたとき、あなたはもう集中力を必要としない世界に突入していける
たとえば、何かの製造業で、新しい何かを開発したい場合、簡単な、なるべくコストをかけない試作品を一台作りましょう。この場合、見てくれはどうでもよくて、張りぼてでもなんでも大丈夫です。発泡スチロールや紙粘土、段ボールを駆使してでも作り上げるのです。そうして目に見えるもの、手に触れられるものを作った段階で、初めて上司に「これ製品化してみませんか?」と持ちかけます。
考え方のヒントは、「何か新しい商品・サービス・考え方が出てきたら、それと何かを組み合わせておもしろい物ができないかな?」という視点で世の中を眺めることです。この二つの考え方を統合したときに、Windows95の基本思想が生まれたわけです。
CANDYも、マウスという、パソコンでの描画性を飛躍的に向上させる新しい機能がついたときに、「これで何かできないかな?」と考えたことと、当時、「設計図の作成には高価な大型コンピューターが必要だけれども、万人が使えるレベルにするため何かできないかな?」と思考していたことが重なって、自然と出てきた企画です。 ほかに私は、2008年に、Photo Shareという写真共有アプリをリリースしましたが、そのときも「iPhoneにすごくいいカメラがついた」という新しいものの出現と、「自分が撮った写真を人と簡単に共有したいな」という従来からあった自分の願望を組み合わせただけでした。結果ダウンロード数は100万ダウンロードを超え、アメリカではちょっとした社会現象にまでなりました。でも考えてみれば、天才的なひらめきや圧倒的なクリエイティビティがそこにあったかといえば、別にそんなものはなかったわけです。
今ある製品・サービス・考え方に、何か使い勝手の悪い部分、気に食わない部分はないか?」「やりたいことがあるのに、今はまだその願望を満たしてくれる製品やサービスがないな……」という視点で常に世の中を眺め続けることが重要であり、それを習慣化することこそが難しいのです。
「無理だ」という人の多くがじつは、そのことについて実際にはほとんど何も調べてもいないし、考えてもいない人だ ということを、強く心に刻み込んでください。
いつしかあなたは、多くの先人たちがほとんど同じ話をしていることに気づくでしょう。 それは 何かを成し遂げたり幸せな人生を手に入れたりするには、「好きなことに向き合い続けること以外に方法はない」 ということ
試行錯誤の末にたどりついた一つ目の答えは、ベンチャー企業は普通うまくいかないのが当たり前だという、身も蓋もない現実でした。 商品を出して、何の工夫もせずに大ヒットするなんてことはありえません。TwitterもYouTubeも、製品をリリースしてみてうまくいかなければ修正し続けるのです。その中でつらいこともあって、一緒にやっていた人が辞めたり、お金がなくなったりするケースもあったでしょう。それでも突き進んだ人だけが成功している、ということに考えが至ったのです。Googleも最初は全然ビジネスモデルなんてなかったわけです。 じゃあなぜ、その人たちがやり続けることができたかと言うと、それはその人たちがそれをやりたかったからです。 お金目的の人たちが集まると、お金儲けでやるから、やり始めて「意外と儲からないな」と思った瞬間に人がちょっとずつ抜けていくようになります。全員がくじけないかもしれないけれど、やっぱり人は辞めていきます。 でも、 こんなことを実現したい、という思いで人が集まると、そこに向かって走り続けられるのだと気づいたのです。
一つのサービスが成功したとかしないとか、誰かが抜けたとかいてくれたとか、お金がなくなったとか結構残ったとか、まぁそれはそれでつらいことだったりうれしいことではあるけれど、本当の目的に目を凝らしたら関係ないですよね。 目的はここでしょ、って。そうすると走り続けることができた。逆に言えば、そう思っているときにだけ走り続けることができていた。この走り続けられることが最も重要なことだったのです。
答えはどれでもなくて、大切なのは共通の目的を持った者同士が集まったかどうか、それだけだったんです。それによってチーム全員で走り続けることができるわけですから。結果が出ていたのは、いつもそういうときだけだった。
ぜひ実際に読んで欲しい。人生が変わるかも。。